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沖縄スタートアップ・エコシステム・コンソーシアムの基本施策

本章では、前述の国の方針、沖縄のスタートアップを取り巻く現状、沖縄におけるスタートアップ 支援、本戦略の目指す姿や取組の方向性を踏まえ、施策展開を行います。 施策展開においては、スタートアップ支援の課題の分析で用いた分類を基に、「人材育成・確保」 「資金調達」「事業サポート」「オープンイノベーションの活性化支援」「コミュニティ・ネットワー クの形成」という5つの基本施策のもと、具体的な施策を推進します。

 

1. 人材育成・確保

様々な知識・能力・背景を持つ多様なスタートアップ人材の集積に向けて、アントレプレナーの 育成と県外からの移入を促進するため、アントレプレナーシップ教育の推進、専門人材の確保、ア クセラレーション支援、国内や海外からのスタートアップ人材の誘致に取り組みます。 また、スタートアップに取り組む人材だけでなく、それらを支援する人材の育成・確保にも取り 組みます。

 

1. アントレプレナーシップ教育の推進

スタートアップに関わる人材のすそ野を広げるため、学生、社会人といったスタートアップ 予備軍に対して、広くアントレプレナーシップを学ぶ機会を提供します。 起業についてより深く学びたい人に対しては、会計など経営の基礎を習得するための講座 や、起業セミナー、起業を疑似体験するワークショップ型のイベントなどを開催します。 第二創業や新事業の開発、スタートアップとの協働を牽引するイントレプレナー43を養成す るため、従業員に対し、リスキリングなどに加え、課題を発見し解決するアントレプレナー シップ教育を推進し、人材の高度化を図ります。 児童・生徒・学生に、起業を身近に感じ、将来の選択肢の一つとして知ってもらうため、起 業家などによる出前授業や先端プロジェクト等の紹介など、教育機関等におけるアントレプレナーシップ教育を支援します。

 

2. アクセラレーション支援

スタートアップ活動を加速させることを目的としたアクセラレーション支援については、沖 縄県、金融機関、大学、民間企業が主催する各プログラムの特徴を生かし、実践的な内容の講 座やメンタリングを通じてスタートアップ起業のためのスキル習得やビジネスモデルのブラッ シュアップを図ります。

また、事業規模拡大や海外など新市場開拓を目指すアーリー・ミドル期のスタートアップに 対するアクセラレーションプログラムを提供します。

アクセラレーション支援について各プログラム連携強化と相互補完を図ることで、スタート アップの効果的な育成につなげていきます。

 

3. スタートアップの誘致と専門人材の確保

沖縄県内から優れたスタートアップを継続的に輩出していくには、県内の起業家・スタート アップを育てる仕組みとあわせて、県外から高度なテクノロジーや独創的なビジネスを有する スタートアップを積極的に誘致することも重要です。

このため、沖縄を拠点にビジネスを展開するスタートアップの誘致に向け、アクセラレー ションプログラムの実施や、専門家、VC等によるメンタリング支援を実施するとともに、県内 スタートアップ・コミュニティとの交流イベントやネットワーキングの機会を提供します。あ わせて、国のスタートアップビザ制度44の活用促進など、海外からのスタートアップ誘致や外国人起業家が創業・活動しやすい環境の整備に取り組みます。

スタートアップの人材確保については、大学やスタートアップ拠点施設と連携し、スタート アップでの就職に関心がある人材とスタートアップとのマッチングの機会を提供します。経 営、財務、技術等に詳しい高度人材については、県のプロフェッショナル人材戦略拠点(沖縄 県産業振興公社)と連携し、県外も含めた専門人材とのマッチングを支援します。

 

4. 支援者の育成・確保

スタートアップの成長を加速させるためのエコシステムを構築する上で、スタートアップや 起業家を支えるメンターや金融機関、行政、支援機関の担当者など、支援する側の人材の高度 化・スキルアップにも取り組む必要があります。このため、スタートアップ・エコシステムの ネットワークを生かし、県内外から優れたメンターを掘り起こし、スタートアップ・コミュニ ティの一員として協力してもらえるよう人的ネットワークを強化します。 また、スタートアップビジネスの目利き力を備えた金融機関等の人材を育成し、コンソーシアム内で活躍していく仕組みを構築するほか、県内のスタートアップ拠点施設間の交流や情報 共有の活性化を通じて、拠点としての支援ノウハウを横展開するなど、支援者側のレベルアップに取り組みます。

 

 

 

2. 資金調達

スタートアップが最適な方法で成長資金を調達できるよう、補助金の活用促進や、エクイティ ファイナンス・デットファイナンスについて資金需要に応じた供給方法の多様化など、資金調達環 境の整備に取り組みます。

 

1. 補助金の活用促進

プレシード期からシード期にかけてはプロダクトもなくビジネスの先行きがはっきりしない ため、金融機関からの融資やVC等による出資等も限定的となっています。このため、創業(起 業)や、プロトタイプ及び初期プロダクト(MVP)の開発、ビジネスモデルの仮説検証、プロ ダクトの事業化に要する経費の一部補助を行います。アーリー期以降のスタートアップについ ては、実証実験(PoC)や企業間のオープンイノベーションの取組や、研究開発、販路開拓、 新市場開拓などの国や県による企業向け補助金等の活用をサポートします。 自治体と連携した社会課題や地域課題の解決に取り組むスタートアップに対し、ソリュー ションの実装に向けた実証実験に対する補助事業等の活用を促進します。

 

 

2. 資金調達環境の整備

スタートアップは、EXITに向け様々な手段により資金調達を行い、ビジネスをスケールさせることから、起業当初からEXITを見据えた資本政策の策定を支援するとともに、IPOやM&A に向けた経営管理体制の構築などについて、専門家による助言やセミナー開催により学ぶ機会を提供します。

エクイティファイナンスについては、「おきなわイノベーション創出ファンド(沖縄科学技術 振興センター)」や「BORファンド(琉球銀行)」などのベンチャーファンドによる投資を促進します。 リードをとれる国内外のVC・CVCや投資家等とのネットワークを拡充し、ピッチイベントを 開催するなど、県内スタートアップとのマッチング機会を提供します。 VCによる投資が難しいプレシード及びシード期におけるエンジェル投資の活性化に向けてエ ンジェル税制の活用促進に取り組むとともに、M&Aを見据えた県内企業によるスタートアップ 投資を促進します。

中~大規模の資金需要に対応できるVCとの連携や沖縄振興開発金融公庫の出資・融資制度の活用を促進します。

デットファイナンスについては、「ベンチャー支援資金(沖縄県)」や「創業融資(金融機 関)」の活用促進を図ります。国において事業成長担保権の創設を含め、経営者保証に依存し ない融資の拡大の動きを踏まえつつ、金融機関によるベンチャーデットの推進や民間金融機関 が実施する貸付に対するベンチャーデット債務保証制度(中小企業基盤整備機構)の活用促進 などにより、スタートアップ向けの融資制度の充実を図ります。また、起業家が安心して事業 にチャレンジできるよう、国による経営者保証を不要とする創業時の新しい信用保証制度(ス タートアップ創出促進保証制度)の活用を促進します。

 

3. 新たな資金調達方法の検討

政府の「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太方針)において社会課題解決やインパクト投資の推進が位置付けられ、沖縄県内においても社会課題解決型ビジネスの気運は高ま りつつあります。コンソーシアムでは、民間からの寄付金やクラウドファンディングの手法を 取り入れた資金調達の新たな仕組みについて検討を行います。特に、インパクト投資について は、県内外の幅広い層から共感を得やすい沖縄固有の地域課題やテーマとしたソーシャルビジ ネスを中心に事業資金(寄付金)を募っていく際の条件整備や、実施するプロジェクトのテー マについて関係機関やソーシャルビジネス関連企業等とも連携し、県内におけるインパクト投 資の気運醸成に取り組みます。

 

3. 事業サポート

スタートアップの事業活動における様々な課題を速やかに解決することでスタートアップの成 長を加速させるため、専門家に相談する機会の提供や、プロダクトの開発支援、国内・海外を含 む事業展開支援に取り組みます。 また、スタートアップと既存の事業者の互いのアセットを共 有することよりスタートアップの成長と既存の事業者の高度化や、行政との連携によるスタート アップの成長と社会課題解決に向けたオープンイノベーションを促進します。

 

 

1. 専門家による相談対応

起業や創業時の相談対応については、Startup Lab Lagoon NAHAに設置した創業ワンス

トップセンターにおいて、法人登記、税務、社会保障など法人設立及び事業開始時に必要な情報 提供やアドバイスを実施するほか、国の申請手続きについてオンラインで行える環境を提供します。

また、ネットワーキングイベントを通じて経験豊かなメンターや投資家、仕業を含む専門家と の相談会、交流イベントを開催するとともに、スタートアップのビジネスや要望に応じて適切な 相談者を紹介します。資金調達を希望するスタートアップに対しては、金融機関やキャピタリス ト、資金調達アドバイザー等による適切な資金調達方法等についての個別相談会や投資勉強会等 を開催します。

 

2. プロダクト開発支援

プロダクト開発については、ビジネスに必要な市場調査や顧客インタビュー、競合分析などの方法を用いて、プロダクト開発の方向性や仮説の検証、プロトタイプや初期プロダクト(MVP) の開発等に要する経費を補助します。また、OIST、琉球大学、沖縄高専等の研究機関とのネットワークを生かした共同研究や既存事業会社との技術提携やオープンイノベーションに関するマッ チングサポート、研究開発拠点における研究機器提供サービスの活用等を支援します。

 

スタートアップによるプロダクト開発やビジネス開発の効率化・スピード化を支援していける よう、”スタートアップスタジオ“に代表されるスタートアップや新規事業を同時多発的に生み出 していく仕組みについて、コンソーシアム内での検討を進めていきます。

 

3. 国内・海外への事業展開支援

県内スタートアップによる国内や海外への事業展開支援については、スタートアップ・エコ システム・コンソーシアムのチャネルを活用して県外各地で開催されるスタートアップイベン トへの参加や国内外の各種イベントにおけるブース出展等を支援します。また、国内外のス タートアップ・コミュニティとの交流イベントを共同開催し、県外スタートアップとの交流・ マッチングを行います。

コンソーシアムに加盟組織の国際的なビジネスネットワークを生かし、国内・海外での提携 先とのマッチングや新市場開拓に向けた営業活動をサポートします。また、スタートアップの 県外での認知度を高め、VC等からの資金調達や国内・海外における販路開拓をはじめとする 事業展開を後押しするため、J-Startup地域版を活用した新たな企業選定制度を創設します。

 

4. オープンイノベーションの活性化支援

スタートアップと既存の事業者の互いのアセットを共有することよりスタートアップの成長と 既存の事業者の高度化を促進することや、行政との連携によるスタートアップの成長と社会課題 解決を促進するため、オープンイノベーションの促進に取り組みます。

 

1. 企業間のオープンイノベーションの促進
スタートアップ・エコシステム・コンシーシアムに参画する事業会社をはじめ県内外の事業 会社とスタートアップとのビジネス連携・オープンイノベーションを活性化するため、アイデ アソン・ハッカソンによるビジネス開発やマッチングイベントの開催、マッチング後の概念実 証への支援、技術面のアライアンスや業務提携・M&Aに関するサポート等により、県内外の事 業会社とスタートアップとの協働・共創による新規事業開発を促進します。 県内の各産業や企業におけるオープンイノベーションを活性化するため、様々なスタート アップや異業種・異分野との連携・協業の意義、効果について理解を深めるプログラムやイベ ントを通じてオープンイノベーションに関する気運の醸成を図ります。

 

2. 自治体と連携した地域課題解決の促進(ソーシャル・イノベーション)

地域の様々な課題を抱える県内自治体とソリューションを提供するスタートアップが連携 し、課題解決に向けた新たな取組を支援するため、自治体の抱える地域課題を発信する「ガバ メントピッチ」を開催し、スタートアップとのマッチングを支援するとともに、実証実験に必 要な経費の補助を行います。これにより、県内自治体の課題をスタートアップがともに解決す るプロセスを確立し、県内におけるソーシャル・イノベーションのロールモデルとして発信し ていくことで、地域に根ざしたスタートアップ・エコシステムの形成を推進します。

 

3. PoC・実証実験サポート

沖縄県内で実施する実証実験を総合的に支援する「沖縄実証実験支援プラットフォーム」と 連携し、県内での実証実験に向けた個別相談や、実証実験フィールドの提供・斡旋、実証実験 モニター募集支援、実証実験に係る地元調整、国家戦略特区やサンドボックス制度の活用など 規制対応、実証実験のPR支援などを実施し、事業会社や自治体等とのオープンイノベーショ ンや社会課題解決に資する実証事業をサポートします。 地域の様々な課題を抱える県内自治体とソリューションを提供するスタートアップとのマッ チングを支援するとともに、地域課題解決に向けた実証実験に必要な経費の補助を行います。

 

5. コミュニティ・ネットワークの形成

地域におけるスタートアップ・コミュニティ形成の中核となる拠点施設における活動内容や支 援機能の強化を図り、県民をはじめ、民間団体、学校、行政など幅広い方々に対するきめ細かな 情報発信や県外スタートアップ・コミュニティとのネットワークを構築します。

1. スタートアップ・コミュニティの強化
県内各地のスタートアップ拠点施設において、スタートアップ相互の交流やコンソーシアム 加盟団体をはじめとする支援者とのネットワーキングの機会を提供します。また、拠点施設が 連携した共同イベントの開催や支援情報・ナレッジを共有し、拠点のもつ支援機能の強化を図 ります。IVS45などスタートアップイベントの主催団体と連携し、県内スタートアップの成長や 県外スタートアップ関係者との交流イベントを企画・開催します。 国内・海外のエコシステムとの連携強化については、国内や海外のスタートアップ・コミュ ニティとの人的・組織的なネットワーク構築に取り組み、県内スタートアップの事業展開を後 押しするとともに、沖縄を拠点にビジネスを希望する起業家・スタートアップの誘致を図ります。

 

海外のスタートアップ・コミュテニィとの連携や外国人起業家へのサポートを強化するた め、コンソーシアムの活動や支援内容を多言語で紹介するとともに、外国語でのピッチイベン トを企画するなどのグローバル展開に向けてコンソーシアム全体で取り組みます。

 

2. スタートアップ関連情報の収集・共有・発信

沖縄のエコシステム全体の取組や県内のスタートアップの活動を一元的に収集する仕組みを コンソーシアム内に構築します。スタートアップの企業情報や資金調達額、県内で開催される イベント情報、スタートアップ支援に係る最新情報等をコンソーシアム事務局において情報収 集するとともに、集約した情報・データを専用サイトやSNSを用いてワンストップで情報発信 します。

 

県内スタートアップが県外VCや投資家等に広く認知してもらうには、エコシステムの情報サ イトをわかりやすくリニューアルするほか、コンソーシアム加盟組織とも連携し、発信情報の量と質を高めることで、エコシステム全体の発信力を向上させます。

 

県民がスタートアップの社会的役割や重要性を認識し、起業家に対する理解と評価を高めて いく必要があることから、県民に対しスタートアップに関する様々な情報発信やPRイベントを開催するとともに、スタートアップ・起業家の活動及びエコシステムの取組等を広く紹介することで、県民全体でスタートアップを応援する気運の醸成にコンソーシアム全体で取り組みま す。

公式SNS及びこちらのウェブサイトでは、発展戦略を項目別に分け、みなさまにお届けしていきます。

発展戦略はこちらからご覧いただけます▶︎https://startup-lagoon.okinawa/cms/wp-content/uploads/2024/01/おきなわスタートアップ_エコシステム_発展戦略R05.12.pdf

 

なお、加盟に関する問い合わせや創業相談も受け付けております。 ホームページよりお気軽にお問い合わせください。 ご予約をとっていただけたらより細かな対応が可能です。

お問い合わせ→こちらのページからチェック

 

【Lagoon NAHA】

場 所 : 沖縄県那覇市松山2-2-13 長谷工那覇ビル1F

メール:okst-info@okinawa-startup.jp

電話:090-9855-6044

開館日及び時間:平日 11:00~18:00

閉館日:土日、祝日、年末年始(12/29~1/3) 但し、イベント開催日は除く

 

 

 

 

 

 

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