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沖縄スタートアップゆんたく「『AIRCLE』運営 株式会社Alpaca.Lab 棚原生磨氏」

5月某日、沖縄市のStartup Lab Lagoonにて「スタートアップゆんたく~沖縄で始める喜怒哀楽~」というイベントが開催された。

 

登壇者は以下の3人

・運転代行マッチングサービス「AIRCLE(エアクル)」を運営する、株式会社Alpaca.Labの棚原生磨さん
・キャンプ用品のシェアリングサービス「ソトリスト」を運営する、株式会社URAKATAの山田慎也さん
・日本に住む外国人宅でのまちなか留学体験「HelloWorld」を運営する、HelloWorld株式会社の野中光さん

 

全3回のシリーズでお届けする今回イベントレポート。
第1弾は、運転代行マッチングサービス「AIRCLE(エアクル)」のシード期から現在に至るまでの歩みを紹介する。

 

第2弾「『ソトリスト』運営 株式会社URAKATA山田慎也氏 イベントレポート」(リンク)

第3弾「『HelloWorld』運営 HelloWorld株式会社野中光氏 イベントレポート」(リンク)

 

 

 

 

【プロダクトが社会に与える価値】

運転代行業界の課題として「手配や待ち時間が掛かる」というのがありましたが、AIを駆使したマッチングアプリで9分前後での到着を実現させました。待ち時間の短縮と、運転代行業者の回転率に貢献できたと思います。

 

別の課題で「80%以上が不適切な運行を強いられている」というのもありました。
業界では日雇いが多くて、貧困に苦しんでいる人も多い。そういう状況だから任意保険がどうこう以前の問題なんです。
そこでAIRCLEで効率化を高め、平均客単価を600円上昇させて適正価格にしました。
登録している業者は任意保険への加入を確認してユーザーに安心を提供しています。

単価を上げると、客離れの懸念もあったのですが、手配の早さとマッチング率を追求していって、多少価格が上がっても支持はされ続けました。
本来、単価が低いことは業界の課題でもありましたので、弊社ではユーザーが低価格を求めた結果、業界が疲弊しているという(構造的な)ところを敢えてPRして、付加価値を付けているという部分を打ち出していきました。

 

 

【立ち上げと会社を成長させるプロセス】

 

ー立ち上げのきっかけは?

沖縄って課題先進県ですし、中身もいちいち重いんですよね。
貧困・教育、政治的な課題もあるし、地元のそういう状況に悶々としていました。
島嶼地域だからか、中央の役人や大企業は解決のモチベーションが無いのか放置されがちなんです。

ブルーカラーの人の生活レベルを引き上げて、全体を引き上げる。課題先進県の沖縄から課題解決のスタンダードを、という思いでした。

 

 

ー創業メンバーとの出会いと会社設立のプロセス

業界にもよると思うんですけど、創業メンバーは3人が理想かなと思います。メンバーがいたら考えを整理することもできますし、その日に1人欠けても残りの2人でブラッシュアップは常に続けられます。

アイデアレベルの初期に、コワーキングスペースでのイベントでプレゼンをしたんですよね。そこでオーディエンスに向かって「エンジニアの方いませんか~?」って声を掛けたりして。

 

RPGをしているのと同じ感覚です。自ら人がいる所に出向いて、話をして仲間を集めて、みたいな。

おかげで優秀なメンバーを集めることができたのですが、優秀な人って組織として管理するのが難しいところもあるんですよね。ですから、最初はフルコミットできる数人で固めるべきだと思いました。

 

 

ー会社の成長について

1年目はプロトタイプを作っている段階なので売上はゼロですよね。
最初は飲食店と代行業者のマッチングを主にやっていたのですが、反応を見ながら個人アプリを作ろうと。
2年目以降は、自然とスケールアップしていく登録者数の分岐点があるんですが、それがどのあたりにあるのかを探りつつ、各フェーズにおいて必要な人材を採用していったという形です。

コロナの打撃は大きかったですね。飲みに行く人がいないですから。まあでもいつかは明けて需要が戻って来るので、その間はプロダクトの改良をしつつ借入をして生き延びていった感じです。

 

 

【オーディエンスからの質疑応答】

ーサービスを模倣されて追い抜かれるという不安は無いか

実際、DiDiが代行マッチングアプリをリリースすると聞いて、戦々恐々しているところではあるんですけど「○○では勝てる」という強みがあれば顧客は付いて来るかなと感じています。
地元密着で丁寧にやってればローカライズで勝てる、とかでしょうか。良いサービスを作ろうとPDCAを回せれば大丈夫かなとは思います。

 

ーデジタルプロダクトを作るにあたりエンジニアの選考の基準はどうしているか

AIRCLEは動的なサービスで、システムトラブルが起こると死活問題になるので24時間対応できるように内製化しています。ただ、内製か外注かはサービスの種類にもよりますね。
開発段階では、外注で充分だと思いますし、必要だと思えば採用すれば良いと思います。

 

ー失敗についてどう考えているか

こういう場所で登壇している方々も、10回トライして1回掴んだ成功事例を表現しているだけなんですよね。失敗は良いことですよ!それより大事なのは、忘れる力、鈍感力です。
どんどんとタフになってもらって、失敗を重ね続けていけば良いだけの話だと思います。

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