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沖縄のスタートアップを取り巻く現状〈発展戦略を分かりやすく解説〉

沖縄のスタートアップを取り巻く現状

1. データで見る沖縄におけるスタートアップの現状

①2022年の沖縄のスタートアップに関するデータ
沖縄県のアンケートなどによる独自調査によれば(表5)、2022年の沖縄におけるスター トアップの数は97社、資金調達を行ったスタートアップの数は20社、資金調達の総額は18.1億円(エクイティ:14.4億円で全体の70.1%、デット:3.7億円で全体の29.9%)と なっています。

 

 

②沖縄の大学発ベンチャー数

令和4年度産業技術調査事業 大学発ベンチャーの実態等に関する調査によれば(図22)、 2022年度時点の沖縄の大学発ベンチャー数は34社(都道府県中18位)です。また、関連大 学(大学と工業高等専門学校を含む238の大学)別の大学発ベンチャー数のランキングで は、琉球大学は同率38位(21社)、沖縄科学技術大学院大学は同率69位(9社)、沖縄工業 高等専門学校は同率167位(1社)となっています。

 

③都道府県別スタートアップのエクイティによる資金調達総額の比較

INITIALによれば(図23)、2022年の全国のスタートアップのエクイティによる資金調

達総額は9,459億円でした。沖縄のスタートアップの資金調達総額は8億円で全体の0.1%程 度となっています。

 

 

沖縄におけるスタートアップへの資金供給は過去十年で増加傾向にありますが、全国の資 金調達総額に比べると0.1%とわずかであり、投資先となるスタートアップの創出を促進す るとともに、スタートアップへ出資や融資を行う金融機関とのマッチングを促進するなどの 取組が必要だと考えられます。

 

④沖縄における開業率について

2016年度から2021年度における沖縄県における開業率は6.5%~9.3%であり(図24)、 同じ時期の全国の開業率4.2%~5.6%と比べても一貫して高いです。沖縄における起業意欲

は高くスタートアップと親和性の高い土壌がありますが、SMBの起業がほとんどであるた め、スタートアップへの挑戦が選択肢となるような、情報の提供と支援を行うことが重要で す。

 

 

 

 

2. スタートアップの活動の現状

前述のスタートアップの成長ステージにおけるスタートアップの活動内容や、日本と沖縄の スタートアップの現状に関する分析を踏まえ、「人材」「資金」「事業」「コミュニティ」と いう観点からスタートアップの活動の現状を以下のようにまとめました。 本戦略では、これらの現状を踏まえた支援の取組が必要となります。

 

1 人材について

スタートアップ挑戦に向けた最初のステップは、起業に興味・関心を持つことです。学生 や経験の浅い既存の事業者の従業員など、起業の意義や、ビジネスに関する具体的で全体的 な知識がないために、起業を選択肢として考えたことがない、または、現実性のある選択肢 と考えられない人が少なからず存在します。このような人々に対しては、起業、特にスター トアップ挑戦の意義や実例を知り、身近なものとして興味・関心を持ってもらうための学び の機会を提供し、その機会を活用してもらうことが重要です。 第二創業も含め起業について既に興味・関心を持つ層には、起業に向けて何が必要か知り たい、起業家が備えるべきアントレプレナーシップや、会計をはじめ経営に必要な知識を学 びたい、スタートアップについて実践的な内容について学びたいといった様々なレベルの人 がおり、それぞれのニーズに合った学びの機会を提供し、その機会を活用してもらえるよう 取り組む必要があります。 また、スタートアップのアーリー期など、有望な市場を狙えるプロダクトを開発するあたりから、事業拡大のための経営人材(CFO29などCXO30と呼ばれる人材)や即戦力となる人材 が必要になりますが、スタートアップの分野に参入する意欲を持った人材の数が限られており、適切な人材の採用は容易ではありません。スタートアップへ参加する意欲を持つ人を増 やすためにも、起業やスタートアップについて、広く一般に学びの機会を提供し、すそ野を 広げることが重要です。

 

2 資金について

市場参入前のスタートアップにとって、資金調達は大きな課題であり、成長の原動力とし て不可欠であることはもちろん、創業者や従業員の生活を支えるうえで死活的に重要な要素 となります。しかし、スタートアップの経験がない人にとっては、どの時期にどの程度の資 金が必要かなどをイメージできず、また、足りない資金をどこからどのように調達してよい か、その仕組みがわからないという問題に直面します。そして、資金調達の方法について理 解した後も、必要なだけの資金調達ができるまで奔走しなければなりません。このため、ス タートアップの創業者に対して、よりよい条件での出資や融資が受けられるよう、必要な資 金や調達の方法など資本政策について学ぶ機会を提供し、投資・融資を行う投資家や金融機 関とのネットワークを増強するための交流の機会を提供することが重要です。

 

3 事業について

スタートアップは、プロダクトを開発し収益化するまでは自己資本や調達した資金の切り 崩しでしのがねばならず、起業から有望な市場獲得までは費用を抑えるため最小限の人員で 活動する必要があります。そのため、創業メンバーは事業に関するほぼ全てのことをこなし ていかなければなりませんが、始めから事業に必要なことの全てを備えているケースは少な く、起業からExitまで足りないものを補う支援が重要になります。特に、起業準備から会社 設立、経営(ビジネスモデル構築や経営戦略立案を含む)、市場調査、知財・契約などの法 務、資本政策、事業拡大に向けた組織づくり、Exitなど、専門性の高い事柄について専門家 へ相談できる機会を提供することが重要です。 プロダクトの開発においては、創業メンバーに技術者がおらずプロダクト開発ができない 問題や、革新的なプロダクトを開発しても既存の規制に抵触するためPoC31や実証実験ができ ないという問題に直面することがあり、それらの問題に対して支援が必要です。 事業展開においては、特に県外において、知名度がなく信用力もない中で販路を開拓する ことは容易ではないため、知名度の向上や情報発信・交流の機会の提供など事業展開の足が かりを築くための支援が必要です。 その他、支援について知らないために活用できないということを防ぐために、支援の周知 が重要です。

 

 

4 コミュニティについて

スタートアップは、日々、新たな課題に直面しますが、同様の課題を経験したことがある 人とつながりがない場合、どこに相談してよいかわからない、もしくは、専門家など相談し たい相手は分かっていても、つながる機会がないという状況に陥ります。このような状況に 陥らないようにするためにも、解決策に結びつくネットワークとしてのコミュニティを形成 することが求められます。 共同創業者や技術者、メンターなどの仲間集めにおいては、同じ志を持った人が出会い親 交を深める機会の提供が必要です。また、起業にあたり、最も影響を受けた人として、身の 回りにいた起業家や同じ思いの友人の存在があげられていますが、現在、先輩起業家など、 実際に起業した人が周囲にいない人も多く、起業を促進するためにも先輩起業家などと交流 する機会の提供が必要です。 また、起業について社会的な評価が低いことが起業の障壁となっているため、スタート アップの意義や成果などを広く一般に周知し、スタートアップに挑戦しやすい環境を形成す ることが重要です。 特に、県外において、スタートアップが事業を拡大する際に、情報源や足掛かりとなるよ うな現地とのつながりがない場合、事業展開に苦労することが多いため、現地のスタート アップ・コミュニティとつながる機会の提供が必要です。

 

 

公式SNS及びこちらのウェブサイトでは、発展戦略を項目別に分け、みなさまにお届けしていきます。

発展戦略はこちらからご覧いただけます▶︎https://startup-lagoon.okinawa/cms/wp-content/uploads/2024/01/おきなわスタートアップ_エコシステム_発展戦略R05.12.pdf

 

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