スタートアップの可能性と期待

1. スタートアップの躍進

近年は、様々な分野で技術革新が起こり、世界の経済成長と社会課題解決を牽引しています。特にデジタル分野においては、生成AIをはじめとする革新的な技術が次々と生まれており、新たなデジタルツールやデジタルインフラの普及により、これまでデジタルツールを活用してこなかった分野においてもアイディア次第で価値創出や課題解決が可能になると期待されています。
実際に、これらの革新的な技術を用いたスタートアップが多様で広範な分野において革命的な変化をもたらし、時価総額10億ドルを超えるユニコーンと呼ばれる企業が次々と生まれています。

その一方で、利益偏重のビジネススタイルへの反省から、社会課題の解決を重視し、経済的には既存の事業者との共生ができる範囲での成功を目指すスタートアップも現れ、世界で注目されています。

2. スタートアップ・エコシステムの整備

日本政府は、スタートアップは、新しい技術やアイディア、既存企業とのオープンイノベーションなどにより、スピード感を持って社会課題を解決したり、市場の活性化や既存企業の生産性向上をもたらしたりするものであるとしています。
そして、GX・DXなどの産業構造転換を進め、持続的な成長を確保していくためにもより多くのスタートアップを育成する必要がある として、スタートアップへの目標投資額を「5年後の2027年度に10倍を超える規模(10兆円 規模)」にするなど、その育成・支援を強化するとしました。
また、イノベーション創出のための挑戦と失敗の試行錯誤を支える基盤として、スタートアップを生み育てるエコシステムの形成や企業の参入・退出の円滑化が必要であるとして、スタートアップ・エコシステムの整備や新たな参入と再チャレンジの際の退出の障壁を低くする ための取組を推進しています。

将来的には、ユニコーンを100社創出し、スタートアップを10万社創出することにより、我が国がアジア最大のスタートアップハブとして世界有数のスタートアップの集積地になることを目指すとしています。