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起業の虎、麻生要一氏が語る『沖縄のスタートアップ』の無限の可能性

リクルート時代には約1500の社内事業及び約300社のスタートアップ企業の創業支援を。その後はフルリスクを取る起業家として、またベンチャーキャピタリスト・個人投資家としてもしても活動。

さらにはオーナービジネスのほか多数の企業・組織で役員を歴任している、起業家・投資家・経営者の麻生要一氏に、沖縄であるからこそのスタートアップの可能性について伺った。

 

 

【沖縄の起業家教育は先進的である】

麻生氏と沖縄の最初の繋がりは、学生対象の人財育成プロジェクトである『琉球frogs』に関わったことだという。

「これは非常に先進的な取り組みだと思いました。最も難易度が高くて時間も掛かるんだけど、起業家を目指す上で最も本質的な教育分野を、しかも民間がやっていると」

 

こうしたアントレプレナー育成や、創業支援機関の充実、ピッチイベントが盛り上がっている様子を外から眺めては、沖縄でもスタートアップエコシステムが確立されて来ていること実感していた。

 

 

【沖縄のスタートアップの可能性】

麻生氏は、沖縄県内でも特に沖縄市のコザ一番街に可能性を見出している。その要素を次のように挙げた。

「この一帯には、行政と連携していて活動の中心地となる『STARTUP LAB LAGOON』があって、周辺には登記可能な『Microsoft Base』もあります。そこにスタートアップと連携したい先進的な企業のラボも集まり出して、ギークハウスで活躍するエンジニアもいる。
さらに重要なのが、飲み屋街があるということ。これによって人がミクスチャーして新しいものが生まれる環境が整います」

 

ただ、コザ一番街はシャッター商店街でもある。雑多な雰囲気の中で、繁華街も近く、酔客も歩く。人口もさほど多くなく、ビジネスを行うには一見合理的ではないと見る向きもあるだろう。

しかし、このビジネス拠点とリアルな日常が入り混じる‘カオスさ’こそが、イノベーションが創出される重要なポイントであるという。

 

「時代を動かすようなスタートアップというのは、10年先や20年先の世界が見えてしまった人が作り出します。ですから、彼らがビジネスプランの話をすると、あまりにも未来的すぎて理解されないんですね。

経済規模の大きいところで勝負するとなると、中小企業よりも大企業、地方よりも東京、それを言ってしまえばニューヨークが圧倒的に強い。
Googleがカリフォルニアの田舎の小さなガレージで創業されたように、イノベーションというのは、今現在のマーケットのド真ん中では無い所から起こります。
そういう意味ではカオスの中からしかイノベーションは誕生しないんです」

 

いつの時代も、メインストリームの外からやって来る‘全く別の論理’で世界はひっくり返される。
沖縄から世界を変える企業が出てくる素地は他にもあると、話を続けた。

 

「(経済状況などの)社会課題先進県であるということは、ここから生まれたサービスが他でも必要とされるケースが多い。また、観光立県なのでグローバルとの距離が近く、さらにはITが産業として成立しています。
沖縄は、独自の文化と芸能もありますよね。それをひとつの地域が全て持ち合わせているのは本当に魅力的です。

東京のスタートアップとは別の角度から、アジアや世界を変えるスタートアップが輩出されてもおかしくありません。沖縄だからこそ生まれる文化的なスタートアップを、県内のエコシステムで支えられるように出来れば良いですよね」

 

起業家育成のラインナップも拡充され、意気軒高な県内のスタートアップ第一陣。これらがブレイクスルーすることによって第二陣・第三陣への出資という将来的な期待も高まる。注目を集めている沖縄のスタートアップ界隈で、勝負を仕掛けられることは幸運だ。

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