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スタートアップの成長ステージについて【沖縄スタートアップエコシステム発展戦略】

沖縄のスタートアップと起業が継続的に生み出される仕組みを支援する、沖縄スタートアップ・エコシステムです。
今回の記事では、発展戦略をもとに、スタートアップの成長ステージについて見ていきましょう。

 

発展戦略はこちらからご覧いただけます→https://startup-lagoon.okinawa/cms/wp-content/uploads/2024/01/おきなわスタートアップ_エコシステム_発展戦略R05.12.pdf

 

スタートアップの成長プロセスには、ある程度決まったパターンがあります
リーンスタートアップ(事業を小さく始めるなど、リスクを抑えながら新たなビジネスアイディアを実証し、必要に応じてピボット〔事業方針・内容の転換〕を行うことで最終的な成功率を向上させるための起業の方法論のこと)といったスタートアップ起業の方法論や、IPOやM&AといったExitに必要なことを踏まえて考えまます。

 

スタートアップの標準的な成長のパターンを踏まえ、次の画像のように、成長のステージを「スタートアップ予備軍」「プレシード期」「シード期前半」「シード期後半」「アーリー期」 「ミドル期」「レイター期」の7つの時期に分けることができます。

 

そして、各ステージにおける活動内容や状況をモデル化し、スタートアップに必要な支援の整理を行います
(ただし、様々なレベル・条件の起業家が存在し、また、それぞれのスタートアップの状況や戦略も異なるため、実際には、必要な取組の内容やそのタイミングはスタートアップごとに異なります。)

 

一般的に、起業初期はリスクを最小限に抑えて大きな市場を狙える製品・サービスを模索し、市場獲得に確信が持てた時点で大きな資金を調達し、企業規模を拡大させながら、急速な市場獲得を目指します。また、 成長ステージが上がるほど、組織体制の強化が重要になってきます

 

では、それぞれの成長ステージについて解説します。

 

①スタートアップ予備軍

スタートアップを知り、興味を持った人が、スタートアップに挑戦してみたいと考えるようになる段階です。

 

目標は、その人がスタートアップ起業を決断すること。何らかのきっかけによりスタートアップについて知り、興味を持った人 が、アントレプレナーシップ教育や起業体験イベントへの参加を通してスタートアップについての理解を深めます。そして、自らの経験や課題意識を踏まえて特定の領域でスタートアップに挑戦してみたいと考えるようになります。

 

イベント情報はこちらからチェック→https://startup-lagoon.okinawa/category/event/

 

まだスタートアップ活動を始めていないため、資金供給元は自己資金である貯蓄の切り崩しや家族・親族などからの借金・仕送りが中心となります。

必要な資金の規模は、生活費と講座やイベントの参加費以外は、特に費用は発生しないため、数万円程度が一般的です。起業前であり、共同創業者となる仲間もいないため、基本的に1人で活動することになります。

 

②プレシード期

この時期は、起業までの計画を立て、仲間を集め、ビジネスモデルを具体化するなど、起業の準備を行う段階です。

目標は、ビジネスモデルを作成すること。スタートアップの起業を決心した人が、どのような事業を行うかビジョンを描くことから始まります。そして、ターゲットとなる産業について調べ、その産業のどの分野に挑戦するかを確定します。

その一方で、経営の基礎知識(特に会計など)の学習や退職 に向けた手続きなど、起業までに行わなければならない事項を洗い出し、起業までの計画を立てます。

また、潜在的なユーザーのニーズ・課題や競合についての前調査を行い、優位性のある革 新的なビジネスモデルについて仮説を考えます。そして、メンターや共同創業者となる仲間を探してチームビルディングを行うとともに、起業活動の場所や資金などの確保に奔走します。

 

まだスタートアップ活動を始めていないため、資金供給元は自己資金である貯蓄の切り崩しや家族・親族などからの借金が中心になりますが、行政などの公的支援機関からの補助金が利用できる場合があります。必要な資金の規模は、共同創業者分の生活費に加え、起業準備のための費用が発生するため、数十万円以上となります。

 

共同創業者が見つかるまでは一人で活動を行い、共同創業者が見つかった後 は、2、3名程度で活動することになります。

ヒ目標、顧客像、顧客の課題、ビジネスモデルなどに対する認識の共有と、メンバーの意思統一(または、やりたいことのすり合わせ)を図るとともに、役割と責任の明確化とコミュニケーションの促進を行うことで、チームが協働して一体的に機能するようにすることがビジョンとなります。

 

③シード期

市場開拓の基盤となる初期プロダクト10を開発する段階であり、前半と後半に分かれています。

 

<シード期前半>

目標は、現場調査などに基づき、実際にターゲットとなる顧客のニーズや課題といった問題を特定すること。

取引や資金調達、税制優遇などのために必要な法人格を取得するために、会社設立の手続きを行います。そして、市場調査を通して、ターゲットとなる顧客のペルソナを作成し、顧客のニーズや課題を抽出・特定します。

そして、その問題を解決するプロダク トを考案し、その実現性についてプロトタイプを作成し検証まで行います。 並行して、エンジェル投資家やVCを含むメンター、公的機関などからの支援を得るための取組を行います。

 

エンジェルラウンドと呼ばれるこの時期の資金調達は、まだ、プロダクトもなく事業の成 否についての評価が難しいため、エンジェル投資家やシードをカバーする一部のVCからの出資、公的支援機関の補助金、自己資金が主な資金供給元になりますが、最近ではアイディア を基にインターネット上で資金を募るクラウドファンディングなども活用されています。 調達の規模は、数百万円から1千万円程度となります。

市場調査やプロダクトのプロトタイプを作るなど活動範囲は広がりますが、 資金が限られているため、2~4人の最低限の人数で活動することになります。

 

<シード期後半>

課題解決のために、顧客が本当に欲しい必要最小限の機能を持つプロダクトを開発すること(PSF;Problem Solution Fit)になります。具体的には、プロダクトにより課題を解決できたため、そのプロダクトに高い関心を持った顧客を獲得できたら目標達成です。

 

プロダクトがどのように顧客に活用されるかユーザーストーリーを仮設定し、顧客の問題を解決するための必要最小限の機能を持つ実行可能なMVP(MinimumViable Product)と呼ばれるプロダクト(プロダクトは、製品に加え、形のないソフトウェア、データ、サービスなどの商品を含みます。)を開発します。あわせて、仮説として設定していたビジネスモデルを調整し、MVPの価格を設定して販売します。

 

そして、初期顧客からの定性的・定量的なフィードバックを基に、MVPにより顧客の問題を解決できているかを検証するとともに、ユーザーストーリー、ビジネスモデル、価格についてブラッシュアップします。

 

シードラウンドと呼ばれるこの時期の資金調達は、まだプロダクトが市場に受け入れられ るかよくわからない段階であるため、大口の資金調達は難しく、主な資金供給元は、エン ジェル投資家やVC、公的支援機関、自己資金、クラウドファンディングとなります。 調達の規模は、1千万円から数億円程度となります。

ユーザーの数が少なく収入も限られるため、できるだけ出費を抑える必要が あり、3人~5人程度の必要最小限のメンバーで活動することになります。

 

④アーリー期

この時期は、将来性のある市場の獲得に向けて、プロダクトやビジネスモデルを改善し、生産・販売や組織統治(コーポレートガバナンス)のための組織づくりを始める段階です。広く市場に受け入れられるプロダクトを開発すること(PMF;

Product Market Fit)です。顧客からのフィードバックに基づき、プロダクトの使い勝手や使い心地を含 めた顧客体験の向上に向けて、プロダクトを改善し続けます。

その一方で、そのプロダクトが受け入れられる市場を特定し、その市場の将来性を含めて 事業について評価し、そのまま市場獲得に動くか、それとも事業内容や方針を転換12し、 シード期に戻るといった判断をする必要があります。 事業が順調に進んだ場合には、開発や販売も規模を拡大する必要があるため、どのように人材を集めていくか、そしてそれを可能とする資金をどのように調達するかについて戦略を 立てる必要があります。また、この時期には、外部からの大型資金の調達に備えて、企業の ガバナンス体制の整備が必要になってきます。

 

シリーズAラウンド13と呼ばれ、VCや投資家の出資だけでなく、金融機関の融資も加わり、数千万円から多い場合には十数億円規模の資金調達を行います。市場規模の拡大に向けて、プロダクト開発、財務、販売などのための体制を 整えるため、会社の規模は、必要に応じて5人から20人程度にまで増加します。

 

⑤ミドル期

この時期は、獲得が期待できる大きな市場が明確になっており、業務体制を強化しながら市場 規模の拡大を加速する段階です。市場規模をできるだけ拡大し、収益を安定化させることが目標です。

 

急速に市場を獲得するために、広報・ブランディング・販路拡大など、どのように事業を拡大していくか、スケーリング戦略を策定し、それを実行するための生産・販 売・営業体制を整備する必要があります。

市場規模の急激な拡大に伴い、組織の規模も拡大させる必要がありますが、この時期には 縁故による採用も難しくなってきており、採用のための体制を整備する必要があります。また人員が増えて創業者が直接全ての指揮を執ることが難しくなっており、適切なマネジメントを行うための業務管理体制を整備する必要がでてきます。

 

加えて、より大型の資金調達や 将来の上場に向けて組織としての信用向上が必要になるため、ガバナンス体制の強化を行い ます。資金調達は、シリーズBラウンドまたはシリーズCラウンドと呼ばれ、複数のVCや金融機関からの出資や融資により、十数億円から数十億円規模の資金調達を行います。

 

急速な市場獲得のため、生産・販売・営業などの体制の整備が行われ、会社 規模も50人程度まで増加します。

 

 

⑥レイター期

この時期は、アーリー期にターゲットとして定めた市場の獲得がほぼ終わり、更なる成長のため、新市場獲得に動き出すとともに、事業拡大に必要な資金、知名度・社会的信用の獲得や、事業体制の強化などにつながるExit(出口戦略、詳細は次節参照)に向けて準備する段階です。

 

更なる事業拡大に向けたIPO(新規株式公開、詳細は次節参照)や M&A(企業の合併または買収、詳細は次節参照)などによるExitの準備を完了することが目標。

 

更なる成長のため、新たな機能の追加や、販路拡大のための戦略的提携など による新たな市場開拓を目指します。

市場拡大に伴う組織の拡大のため、更なる採用が必要になり、業務管理体制も規模拡大に合わせて強化する必要があります。また、即戦力だけを採用することは難しくなっており、 従業員の専門性や管理能力について育成を行う必要性も出てきます。

 

一方、更なる成長に向けて、財務状況、競合との競争のリスク、株式市場や景気の動向に 加え、スタートアップの独立性を確保する必要性などを考慮して、ステークホルダーと協議 の上、Exitの方法を決定し、タイミングについての目標を設定します。

IPOを選択した場合は、幹事証券会社や公認会計士(または監査法人)の支援も受けながら上場審査に向けた監査や内部管理体制の整備などの計画を策定して実施します。 M&Aを選択した場合は、自社の強みと今後の成長に必要なものを明らかにした上で、M&A によるシナジーを考慮した戦略的売却先の条件や、売却額およびM&A後の待遇などの売却条 件を設定します。そして、M&Aアドバイザー、公認会計士、弁護士などの専門家の支援を受け ながら買収先の選定やデューデリジェンスに向けた会計・法律面での準備をどのように行っていくかについて計画を策定して実施します。

 

資金調達はシリーズDラウンドと呼ばれ、VCや金融機関からの出資や融資に より、数十億円から数百億円規模の資金調達が行われます。

事業は安定期に入っており、比較的緩やかな成長に合わせて会社の規模を拡大させていくため、人員は50人以上となっています。

 

 

 

次の記事では、スタートアップのExit(出口)について解説します。

 

公式SNS及びこちらのウェブサイトでは、発展戦略を項目別に分け、みなさまにお届けしていきます。

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