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現場の日常点検を自動撮影でリモート化「LiLz株式会社」大西敬吾社長

宜野湾市に本社を構えるLiLz株式会社では、「LiLz Gauge(リルズゲージ)」という、現場での日常点検をリモート化できるサービスを提供している。

IoTカメラの技術でアナログメーターなどの点検対象を撮影した静止画を転送し、さらに画像処理や機械学習により画像に含まれる情報をデジタル値に変換した結果を確認することが可能となる。

わざわざ点検のために現場に出向かなくても良い、リモート化および省力化を実現できる画期的なサービス。その市場は国内はもとより海外まで捉えている。

代表の大西敬吾さんに、サービスの概要と事業のターニングポイントを伺った。

 

LiLz株式会社 代表取締役 大西敬吾社長

 

 

【IoTカメラで自動撮影、AIで画像解析して数値を認識】

LiLz株式会社のビジョンは「テクノロジーで、世界の現場を一歩を前に」

低消費電力IoTカメラとAIにより、日常点検をリモート化・省力化するサービスである「LiLz Gauge」が主力事業だ。

IoTカメラは、1日3回の静止画撮影でバッテリー駆動で3年連続動作する低消費電力の設計。

さらにはLTE内蔵でネットワーク工事も不要という特長もあり、工場や病院、化学プラント、鉄鋼プラント、商業施設などあらゆる産業の施設で導入されている。

 

「家庭用の電気メーターやガスメーターはスマートメーターに置き換えられているケースも多いのですが、工場などに大量に存在するアナログメーターは点検頻度も多く、かつ様々な種類があって、スマートメーター化は現実的ではありません。そこで、レトロフィット型のIoTカメラにて非接触設置によりアナログメーターを撮影し、クラウド側で画像処理と機械学習を活用してデジタル値に変換することで、点検のリモート化・省人化を実現することができました」

 

点検に関わる移動や目視の確認、帳票作成に費やしていた時間が大幅に削減されることが期待できる。現在、約3000台のカメラが、約500施設で稼働している。

 

「労働人口が減っていく日本で、設備保全業界の採用はますます厳しくなっている。機械に任せられるものは任せ、人間は創造的な仕事に注力するべきだと考えています」

 

あらゆるシーンでの設置が可能

 

 

【手触り感のあるプロダクトで現場に貢献】

サービスを創るにあたって、大西社長の頭の中には「現場」というフレーズが常に回っていた。

 

「父親が電気工事士だったので、小さい頃から現場仕事には親しみがありました。

現場向けのサービスを模索していたら、日常点検の課題が見つかって、チームメンバーと話してこれは筋が良いぞと。

2018年にサービス開発を始めて、2020年の6月に『LiLzGauge』をリリースしました。」

 

IoTカメラは自社ブランドの国内製造品である。そこには大西さんのメーカーとしてのこだわりがある。

 

「以前ポータブルミュージックプレイヤーの開発に携わっていたこともあり、自社でプロダクト開発するなら、どうしても手触り感のあるプロダクトを作りたかったんですよね。

ハードも作るしソフトも作る。当初はハードウェアまで作るのはチームから反対されました。私以外全員反対。あまりにも反対されるので、もう自分で作って完成品を机の上にそっと置くという作戦を取りまして。

そしたら『めっちゃ良いじゃないですかぁ~!』って(笑)」

 

しかし、大西社長にはハードとソフトを両方開発することで、マーケットで優位を取れるという算段が始めからあった。

 

「ソフトウェアであるAIだけで事業を進めるとすぐAIの精度競争になっちゃうし競合優位性を構築しづらい。うちはハードで優位なポジショニングを構築できたのが良かった。

 

直近ではサーモカメラや防爆カメラなど新たなカメラも開発中だ

 

 

【市場は世界を意識、さらなるスケールを】

LiLz株式会社はインバウンドで海外からの顧客も獲得している。現在、米国・豪州・EUなど、月20件前後の問い合わせがコンスタントに来るという。

 

今年1月にはラスベガスで開催された、世界最大の電子機器の見本市であるCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)に出展。

スタートアップイベントにも多数参画し、さらにその存在感を高めている。

 

どんどんとスケールさせていく意欲を見せているが、初めから最短で最大の資本投入を行うスタートアップ企業だったわけではなかったという。

 

「以前はベンチャー志向だったのですが、2021年2月に2.5億円の資金調達を行いました。

その時に明確にスタートアップというゲームに参加しようと舵を切りました。途中からチェンジするのは珍しいと思うんですけど、それだけこの『LiLz Gauge』はスケールするだろうという自信がありましたので。いま夢見ているのは、世界中で我々のサービスを使ってもらえることです」

 

「テクノロジーで、世界の現場を一歩を前へ」─LiLz株式会社は世界の現場の課題解決を、沖縄の宜野湾から虎視眈々と進めている。

 

 

LiLz株式会社

https://lilz.jp/

沖縄県宜野湾市我如古2-3-7 2F

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