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シェアリングサービスでキャンプ業界をアップデート「ソトリスト」 株式会社URAKATA 山田慎也さん

キャンプ用品を‘貸したい・借りたい’を個人マッチングするサービス「ソトリスト」

現在、県内2店舗と富士山周辺の河口湖店の計3店舗を展開している。

デジタルを駆使して、レンタルサービスを始めキャンプ予約サービスを行うなど、ユーザーのみならず施設側の利便性向上も目指す。

その存在意義は「多様性のある楽しみ方を提供して、キャンプ業界をアップデートしたい」。運営する株式会社URAKATAの代表である山田慎也(やまだしんや)さんにお話を伺った。

株式会社URAKATA CEO 山田慎也氏(左から2番目)

 

【キャンプ用品の個人間レンタルサービス】

ソトリストは、キャンプ用品のシェアリングサービスで、約1800のアイテム数は国内最大級。出品オーナーは約450人、レンタルユーザーは約2300人を有する。

 

「清掃不要で手軽に道具をレンタルでき、またレンタルオーナーとして道具を預けて貸すことで収益を得ることもできます。

サイト上でアイテムを選択し、決済もオンライン上で完結させます。あとは、予約日に受取と返却を行ってもらうだけで、清掃する必要もありません」

 

キャンパーたちの『新しいキャンプギアを試したい』『キャンプ道具の購入で費用がかさむ』『使用後の道具の管理保管』といったニーズや課題に、事業の着想があった。

 

「借り手のメリットとしては、必要な時だけ安価でライトに利用でき、アイテムを事前に試せることで購入前のミスマッチを防ぐことができます。

また貸し手のメリットとしては、倉庫に眠るアイテムを資産として収益化することができ、さらに自宅の収納スペースが要らず管理・メンテナンスをやってもらえることにあります」

 

【国内外のキャンプ市場に新たな価値提供を】

地方から始まった事業を全国に展開中だ。各地のユーザー特性を掴んで、最適化されたサービスを運営している。

 

「富士山の近くに河口湖店をオープンしました。ここは国内でもキャンプが盛んな所で、各地からキャンパーが河口湖に来る動線を意識して、必ず通る幹線道路沿いに店舗を構えています」

 

また、沖縄では県内需要だけでなくアジアと近い利便性を活かしインバウンド需要も取り込もうとしている。

 

「最も近い外国である台湾は、キャンプ人口が日本と同様に多いことも注目されています。沖縄は冬でも15℃はありますしリゾート地らしく眺めも良い。夏は海、冬はキャンプで観光産業を掘り起こせたらと考えています。

こだわりがあるキャンパーにとって機内に持ち込めるギアには限界がある。滞在先で道具に困らないようソトリストを活用してもらいたい。今後は多言語化で展開予定です」

 

【キャンプ場のオンライン予約機能も】

アイテムのシェアリングサービスだけでなく、キャンプ場のオンライン予約システムも構築した。プラットフォームとしてユーザーの充実度を高めるだけでなく、施設側の経営にも貢献している。

 

「これまで県内のキャンプ場はオンラインの予約システムを導入しているところがほとんどありませんでした。弊社ではオンライン上で予約と決済までを行うサービスを提供しています。

これにより、予約などの利便性がアップするだけではなく当日連絡がつかない等のキャンセルが激減したり、キャンセル料の請求が仕組み化されたことで、利用ルールも明確化し利用者と施設のトラブルも軽減できました。ソトリストがあることで使う側、提供する側の両方に一定の信頼性と安心を提供できてると実感しています」

 

また、利用者がQRコードを読み込み無人でチェックインし、それと連動してLINEで注意事項などを案内するシステムも構築しました。

この業務効率化によって、従業員の休日確保など労働環境が向上しています」

 

高まるアウトドア需要で、遊休地をキャンプ場として貸し出したいというオーナーも多いという。ソトリストが開発したシステムによって新規のキャンプ場が生まれ、ユーザー側も楽しむ選択肢が増えた。

 

【ぶつかったビジネスの壁、その先に目指す未来】

当初、キャンプ用品のシェアリングサービスは未開拓の市場ゆえ、苦労も多かったという。

 

「業界のマーケティングデータが少なく、ニーズのリサーチのしようも無かった。でも、自分たちが欲しいサービスがこれだったので、仕組みをどんどんと作って、やってみて検証するしか方法がありませんでした」

 

どこにも無かった市場データを自ら創り出すところからのスタート。自分たちの嗅覚を信じるしかなかった。

 

顧客の声に耳を傾け、サービス向上への試行錯誤の結果、ノウハウを蓄積していく。ソトリストをさらにスケールしていくべく、ピッチイベントにも積極的に登壇する。

 

「2021年の『IVS LAUNCHPAD Entertainment』ではファイナリストに、2021年の『KVM2021 九州・山口ベンチャーマーケット』では地域活性化賞を受賞することができました。これもきっかけの一つとなって、個人エンジェルや民間企業との繋がりが生まれました」

 

ソトリストの存在価値については、こう語った。

 

キャンプを今よりもっと手軽に、誰でも自由に楽しめるレジャーとして業界をさらにアップデートしたいんです。そうすることで人生を豊かに過ごす遊び上手な大人たちが増え、その背中を見て育つ子どもたちがさらに増えると、今よりもっと豊かで面白い社会を作り出せると考えています。その実現の一歩として、キャンプ用品のシェアリングで新たなユーザー体験と選択肢をまず生み出していきたいです

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