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【研究シーズ×おきなわスタートアップエコシステム MEET UP vol.1-琉球大学編-】実施レポート

11月30日(水)、那覇市松山の「Lagoon NAHA」にて、琉球大学の研究者とビジネス人材が交流する初のイベント【研究シーズ×おきなわスタートアップエコシステム MEET UP vol.1-琉球大学編-】が開催されました。
研究者3人による研究成果の社会実装化に向けたプレゼンテーションが行われ、おきなわスタートアップ・エコシステム・コンソーシアムの加盟組織らとの交流を通して、新規事業や研究開発などのきっかけづくりの場を提供しました。

研究1

「“腎生100年時代”の課題に挑む」と題して発表した琉球大学病院 血液浄化療法部 診療教授・部長、株式会社サステインハピネス 代表取締役社長、古波蔵 健太郎氏。
腎臓内科医としての経験を活かし、人工透析になる可能性の高い患者へ個別最適化治療を提供する医療プログラムを提供するサステインハピネスについてプレゼンテーションしました。
古波蔵氏によると、人生100年時代の昨今だが、腎臓機能の低下に対して個人に最適な治療法を提供する仕組みがないという。寿命に対して腎臓がついていけず人工透析をせざるを得ない人が多いという現状を説明しました。
「ゆくゆくはデジタルツールの活用により、それぞれの患者の生活習慣を継続的に把握し、透析患者の減少につなげたい。台湾をはじめ、東南アジアは世界でみても透析患者が多いので、沖縄からアジア・世界の人工透析患者を減らすことを夢見ている」と語りました。

研究2

「沖縄を世界に誇れるコーヒーアイランドに」 の研究を発表したのは、琉球大学 農学部 農学研究科、琉球コーヒーエナジー株式会社代表取締役の高木伸明氏。
コーヒー栽培事業、アグリビジネス事業、人材育成事業、太陽光発電事業の4事業を通して、栽培地周辺の生物多様性を促進、地域住民やコミュニティの活性化、耕作放棄地の利活用、農業を発展させながら発電するソーラーファーミング、循環型栄養サイクルを意識した食材の廃棄物ゼロ、に取り組んでいます
参加者からの「世界で評価されるためのコーヒーを作るために、どのように品質を担保するのか?」という質問に対し高木氏は、「価格を保つためには、品種や希少性もあるが、産地が明確に認識され、行政や関係機関から豆がしっかり評価されている仕組みが必要。農家さんが頑張るだけでは評価は上がらない。沖縄県やほかの組織にしっかりと宣言、サポートしてもらいたい。」と回答しました。
沖縄県では「コーヒー」というカテゴリーがなく、「その他」に分類されます。そのため、生産過程で補助金を受けることが難しいといいます。来年以降はコーヒー農家による評価会なども予定しており、沖縄コーヒーのブランド化に向けて活動していくと意気込みました。

研究3

「フード・トランスフォーメーションが結ぶ環境・観光アイランド実現拠点」の取り組みについて発表したのは、琉球大学 農学部 教授、共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)<地域共創分野> プロジェクトリーダー平良東紀氏。
地域住民・自治体・企業・大学が食品・畜産・農業の高度連携によって資源循環を実現することで、持続可能な環境・観光立県を共創することを目標としています。
「このプロジェクトにおいて、何が一番ボトルネックなのか?」という質問に対し平良氏は、「ボトルネックは非常に多いが、一番は連携。肥料を作っても農家さんに使っていただけなかったり、堆肥の質が良くても、うまく流通せずに県外から堆肥が買われている」と課題を共有しました。
本プロジェクトの支援希望者は、「食資源循環による環境・観光の島を創るコンソーシアム」にご入会いただきたいとのことです。
発表後には懇親会が開かれ、研究者と参加した加盟組織や県内企業の担当者らが交流を深めました。

おきなわスタートアップ・エコシステム・コンソーシアムでは、県内のスタートアップを支援する加盟組織を対象にした、様々な勉強会を実施しております。

 

詳細はこちらのページをご確認のうえ、加盟希望の企業・組織さまはお問い合わせページよりご連絡ください。

 

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