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コラム「そもそも『スタートアップ』って何?『ベンチャー』と何が違うの!?」

今、トレンドとなっているキーワード「スタートアップ」
何となく、新進気鋭の起業っぽいフレーズかなぁというニュアンスは掴んだ気でいますが…
そもそも、「スタートアップ」とは一体何なのかというのを知っていきましょう。
沖縄での必要性も含めて、コザスタートアップ商店街プロジェクトの代表である豊里健一郎さんに教えてもらいました。

 

【スタートアップの定義とは】

現在、世界中でスタートアップが注目されています。それは、スタートアップが‘社会課題を解決するためのイノベーションを生み出す’からです。

 

戦略をひと言で表すと「短期での急成長を目指す起業のカタチ」と言えます。潜在的なニーズを掴み、イノベーティブなアイデアや技術を駆使して、新しいビジネスモデルを作るスタイルです。

 

スタートアップでは、事業の可能性に共感した投資家から出資を得て、スピーディーに市場を開拓していきます。

 

スタートアップは基本的に、最初の数年間は赤字経営が多いです。外部から資本を調達し人員、開発やマーケティングなどへ投入し、その後黒字に転換させます。売上のほかに、補助金や外部からの資金調達を得ながら、この赤字期間である‘死の谷’を乗り越えていくのです。

 

また、事業開始と同時に株式上場などの出口戦略を描いているのがスタートアップの特徴でもあります。

 

一方で、『ベンチャー』や『スモールビジネス』というのは、既存のマーケットにおいて中長期で安定的な成長を描くビジネス戦略です。

 

【スタートアップでの起業はリスクは高い?それとも…】

短期でのスケールを目指すスタートアップは、大きな借金を背負うリスクがあるのでないか。実はそれがそうでもないんです。

 

外部から受けた出資は株式譲渡で得た自己資本なので、例え事業が止まってしまっても返済する必要はありません。そういう意味では、借金を背負うことはオーナービジネスに比べると少ないです。また、リスクを補うような支援も用意されています。

 

では何故、外部から活発な投資が可能なのか。一例を挙げます。

 

事業に挑戦しようとしているスタートアップ企業に、ベンチャーキャピタル(以下、VC)が出資を行うとします。そのVCは、個人投資家や企業から投資資金を調達しています。
VCは投資ファンドなので、複数のスタートアップ企業に分散して投資を行っています。ですから、その中から1つ大きなリターンが出れば投資の収支は成り立つので、各スタートアップに積極的な出資ができるのです。

 

スタートアップ企業の生存確率は低いですが、全力で解決したい社会課題に挑んだ経験は、その後の人生にとって大きいものをもたらしてくれるはずです。

ですから、もはやせっかくアイデアがあるのに、挑戦しない方がリスクだと考えています。

 

【これからの沖縄のスタートアップを取り巻く動き】

沖縄は今、観光業や情報通信業に従事している方の割合が大きいので、外的要因に動向を左右されないためにも、次の成長産業を作るのは大事です。
スタートアップでは、戦略的に多額の資金を外部から調達します。それによって雇用も促進されます。さらに大きな視点で言うと、地域課題を解決することで行政コストを下げられます。

 

スタートアップが羽ばたくためには、人的資源・経済資本・行政からの促進・創業のためのインフラなど様々な資本の支えが必要です。
我々は、県内の各団体と連携するために、コンソーシアム(共同企業体)の設立を今年度中に予定しています。
産官学に加えて金融機関も一体となって一枚岩で支援できるエコシステムの構築を目指しています。

 

【スタートアップの扉を叩こう!】

みんな名前を知っているだろう、Facebook(META)もAppleもメルカリも、もともとはスタートアップ企業です。
いつの時代も社会にインパクトを与える起業家は出現します。沖縄にもそういった強い経営者が必要で、その機運を高めることは重要だと考えています。

 

日本はモノづくりで高度成長を遂げてきた国です。しかし、今では世界での変革の早さに付いていける日本企業は少なくなってしまいました。今求められるのは、スタートアップの機動力です。

 

沖縄は、開業率も廃業率も高い土地です。しかし何度チャレンジしても「よくやったね」と言われる島にしたい。
世界に飛び出すスタートアップが沖縄から多く出ることを期待しています。

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