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【イベントレポート】9月17日(土)HAPPY EARTH STARTUP PITCHが開催されました!
目次
HAPPY EARTH STARTUP PITCH
ハッピーアース スタートアップピッチ
地球がハッピーになる
エコフレンドリー、エシカル、サステナブルなサービスを展開する
スタートアップ企業のピッチイベント
SDGsが採択された9月25日(GLOBAL GOALS DAY)を含む毎年9月末の約1週間、持続可能な開発目標(SDGs)の推進と達成に向けて意識を高め、行動を喚起するイベントが世界中で開催されています。
この国連総会の会期に合わせた「SDGs週間(GLOBAL GOALS WEEK|グローバル・ゴールズ・ウィーク)」に、みんなでSDGsに触れ、アクションに繋げるための 『HAPPY EARTH FESTA(ハッピーアースフェスタ)』 が2021年から開催されています。
今回は『HAPPY EARTH FESTA 2022』のプログラムのひとつとして
食物残渣の活用や持続可能な農業の実現などSDGsに取り組む
沖縄発のスタートアップ、来沖したスタートアップがピッチを行いました!
ピッチを行ったのは全部で5社。
株式会社Social Design 代表 北野 勇樹さん
EF Polymer株式会社 COO 下地 邦拓さん
株式会社フードリボン 代表取締役社長 宇田 悦子さん
株式会社BugMo 代表取締役 松居 佑典さん
株式会社リテックフロー 代表取締役社長 瀬名波 出さん
ピッチの冒頭では、沖縄スタートアップエコシステム共同体(Startup Lab Lagoon Okinawa)立ち上げの一員である、一般財団法人 沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)の兼村さんより、沖縄スタートアップエコシステムの立ち上げの経緯やスタートアップエコシステムの役割、今後の取り組みについてご紹介しました。
審査員のご紹介
アクセンチュア株式会社
ビジネス コンサルティング本部 ストラテジーグループ
サステナビリティ プラクティス シニアマネージャー
佐藤 雅望さん
株式会社NTTドコモ
経営企画部 新事業開発室
中村 幸弘さん
ケイスリー株式会社
代表取締役社長
幸地 正樹さん
一般社団法人Public Meets Innovation 代表理事
一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事
デジタル庁シェアリングエコノミー伝道師
石山 アンジュさん
株式会社丸井グループ 共創投資部
兼 D2C&Co.株式会社 投資担当課長
竹下 萌さん
社会貢献のアドバイザー、カーボナルのコミュニティ運営を行っている方、フードロス・サスティナビリティに関わっている方、スタートアップのルールメイキングの支援ができる方等に審査員としてお越しいただきました。先日那覇で開催されたIVS 2022に参加された方もいらして、「沖縄県が社会課題解決に積極的に取り組んでいることを知って、今日は楽しみに来ました」といったお声も頂戴しました。
ピッチの様子をご紹介
1社目は、株式会社Social Design 代表 北野 勇樹さん。
旅をしながら暮らしていきたいという自身の生きかたを伝えるとともに、昨今のコロナ禍でデジタルノマドがとても増え、「住む場所はひとつじゃなくてもいいんじゃないか」「人が暮らしながら仕事ができる世界『越境する』ような世界をつくりたい」と事業を立ち上げた経緯が語られました。
人口が減ってきている日本だからこそ、『移動』を促す必要があるのでは?と、地域不動産開発事業や越境型コミュニティソフトウェア事業を起こし、2022年1月には沖縄県北部の名護市にインキュベーション施設「coconova」を立ち上げました。
coconovaは全ての備品を可動式にする工夫もあり、自由に空間を活用することができ、公園の中にあるコワーキングスペースというイメージで街のにぎやかしに一役買っているそう。「地元の産業を活性化させるために、地域の事業者がどんどん出ていけるような関係性を築き、自分たちで稼げるような還元率の高いビジネスづくりをこれからも手伝っていきたい、場づくりを得意とする自分と建築士の2名で代表を担っているからこそ、ハードとソフトを行き来しながら街をつなげていくことをしていきたい。カルチャーが魅力的な沖縄の地から、アジアのハブになるような活動をしていきたい」と北野さんは力強く締めくくりました。
審査員からは「まさにシェアリングエコノミーだと感じた。沖縄県外や海外についてのアプローチはどう考えているか?」といった質問や「公園づくりのコンセプトを掲げた事業に自分も取り組んでいるからすごく興味のある分野。今のところどこに一番手ごたえを感じているか?」という共通する取り組みがあるからこその感想も寄せられました。
2社目は、EF Polymer株式会社 COO 下地 邦拓さん。
「干ばつに悩む家族・村の仲間を助けたい」「干ばつや資源不足に苦しむ農家を助ける」という信念のもと、インド出身の創業者/CEOであるナラヤン・ラル・ガルジャール氏が研究を重ね生み出した、作物の不可食部分(食べられないところ)を原料とした完全生分解性を有する超吸水性ポリマーを活用し、持続可能な農業の実現に向けインド・日本(沖縄)を拠点に事業を展開しています。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)のスタートアップアクセラレータープログラムに採択され、沖縄県内で研究や事業開発に取り組んでいます。「沖縄の力がなかったら、できなかったスタートアップです」と下地さん。
2050年には、世界人口97億人が慢性的な水不足に陥るといわれる状況、食糧不足や深刻化する貧困問題を打破するべく、世界の水問題や生ごみ問題に取り組んでいます。
世界で毎年生産される食料の約3分の1が廃棄されている中、作物の不可食部分(例えばバナナの皮、とうもろこしの皮やみかんの皮など)を原料に農家の水問題を解決する、完全性分解性を有する超吸水性ポリマーを製造し、持続可能な農業の実現に向けて尽力しています。
3社目は、株式会社フードリボン 代表取締役社長 宇田 悦子さん。
2021年世界自然遺産に登録されたやんばる地域のひとつでもある、沖縄県の大宜味村に本社を構え、『大宜味村から世界へ』を掲げ、事業に取り組んでいます。
IVS 2022のピッチイベントでは準優勝に輝くなど、沖縄発の注目のスタートアップです。
パイナップルの葉や茎から繊維を抽出し、残渣を活用する取り組みを行っています。取り組みのひとつとして、現地の畑に持ち込んで繊維にした状態で運び出すことができるマシンの開発も。(現在特許出願中とのこと)さらにそれらを土に還し循環する仕組みの構築、貧困農家の所得向上を目指し、年内にインドネシア、インドと連携を開始する予定と発表されていました。
今後の構想として、沖縄県内にものづくり産業拠点を創出し、『産業・観光・教育』の3つを叶えること、大宜味村のおばあから教えてもらった島言葉「かふうあらしみそーれ とぅくとぅみそーれ」を原点に、社会を少しずつでも良い方向に変えるため、沖縄から日本全国、そして世界へ発信することを目指しているそうです。
審査員からは、「世界に出ていくときに、どこのブランドと組むか、ブランディングがとても大切になる」「ストーリーや、顔が見えるというところに消費者はとても共感する。その辺りにも力を入れてもらえたら」といったアドバイスが寄せられました。
4社目は、株式会社BugMo 代表取締役 松居 佑典さん。
自身が健康を理由に大学を一度ドロップアウトしたこと/カンボジアでの経験から、誰もが自分の健康や人生を自分でデザインできるよう、『生きるためのおいしさ』をコンセプトに掲げ、昆虫をアプローチに美味しいタンパク質の国産国消、地産地消を世界中で実現することを目標に、食用昆虫の養殖システムの開発から食品の研究開発、コオロギ原料の供給、コオロギ食品ブランドの展開まで取り組まれています。
松居さんは神戸からピッチを行うために来沖され、
「沖縄のぬちぐすい(「ぬち」は命、「ぐすい」は薬を意味する)という文化にとても親和性を感じていて、沖縄からなにかできるのではと感じていて、今日来ました」と沖縄への想いを語る場面も。
「コオロギは雑食性のため地域の未利用資源を活用でき、環境に大きな負荷をかけません。人にも環境にも魅力的なコオロギを、私たちは未来につながる食材と考えています」とアピールされ、開発の後には3年後までに東南アジアから導入、5年後には開発途上国から実証を目標にしていることもお話しされました。
審査員からは「調味料としての可能性もありそう。消費者を動かすには『おいしい × ヘルシー』だったり謳えると良いのではないか」などアドバイスが寄せられました。
最後5社目は、株式会社リテックフロー 代表取締役社長 瀬名波 出さん。
瀬名波さんは琉球大学工学部の教授も務められていて、2009年から海洋バイオマスを利用したCO2削減・利活用研究に着手され、株式会社リテックフローはその中で『流れの技術で循環社会を創造する』をコンセプトに掲げ、流れの技術を取り入れることで資源の利用サイクルを円滑にし循環型社会の実現を目指す大学発のベンチャーです。
広く学外の研究機関と協働して、沖縄の産業にも貢献できるよう、海ブドウやモズク等といった海藻の早期育成の研究を推進し、従来の海藻養殖に比べて4〜5倍も海藻の成長速度を促進させることに成功されました。この技術を使った海藻の高効率陸上養殖システムを開発しています。難しくなく養殖に取り組むことが可能になり、現在では障がい者就労施設と連携して、障がい者の就労支援にもつながっていると語ります。
最近では海ゴミ(マイクロプラスチック)削減技術開発にも着手しています。海に流れ込む海ゴミ、特にマイクロプラスチックが大きな問題となっている現在、そのマイクロプラスチックを吸着・回収し、かつ分解できる”微細藻類”の大量培養技術開発をはじめ、回収した海ゴミ、大量培養した藻類からエネルギーとなる燃料開発、また安全・安心な水産業の開発にも取り組んでいます。『技術は社会をやさしくする』をテーマに掲げる瀬名波さんの挑戦はさらに加速していきます。
審査員の講評
幸地さん
自分事として関心が持てるものもとても多かったです。特にSocial Designさんのソーシャルグッドがきちんと考えられていることに感心しました。
中村さん
サステナブルな事業を立ち上げていかないといけない立場で、沖縄の地に来て表情やエネルギーにとてもパワーをもらいました。今後も来る機会をつくってもらえたら嬉しいです。
佐藤さん
ぜひ、サステナブルなつながりを今後も一緒に作っていきたいです。
石山さん
技術開発のレベルの高さ、最初からグローバル視点を持っているレベルの高さを感じました。技術、プロダクト、創業者の想いはとても伝わってきました。消費者に届くようなストーリーづくりなどどういう風にビジョンが広がっていくのかとても期待しています。
竹下さん
本当に楽しい時間をありがとうございました。コザにLagoonがある意味もとても感じる時間になりました。ここだからできることがまだまだあるかなと感じるので、今後もぜひお手伝いできれば嬉しいです。
審査員から賞も送られました!
・カボニュー賞
株式会社Social Design
・アクセンチュア賞
EF Polymer株式会社
・マルイグループ賞
株式会社フードリボン
株式会社BugMo
「HAPPY EARTH FESTA 2022」は9月25日(日)まで開催中です。
他のプログラムはこちらをご覧ください。https://happyearth.jp/event/hef2022/