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「Okinawa Startup Festa 2022」イベントレポート

12月16日(金)にLagoon Kozaにて開催された「Okinawa Startup Festa 2022」
当日は、起業家や投資家のほか、沖縄のスタートアップエコシステムに賛同する企業など大勢の人が集まり、各種プログラムを通して、これからの地域振興やイノベーションに向けて多くの知見が集まりました。

 

またこの日は、沖縄県が指揮を執りながら、大学・民間企業・金融機関などが連携して県内のスタートアップを支援する「おきなわスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」の設立セレモニーも行われました。

 

 

≪おきなわスタートアップ・エコシステム・コンソーシアムの目指すところ~コンソーシアム設立セレモニー~≫

本コンソーシアム会長の玉城デニー知事からは、
「スタートアップはイノベーションを生み出す担い手として期待されている。起業家マインドを有する人材を継続的に育成して輩出する取り組みに加え、地域の企業や関連機関が連携してスタートアップを支える仕組みを作ることが必要」と意義を話しました。

コンソーシアムのビジョンは、『日本一リスクを取って挑戦できる環境を作り、アジア有数のスタートアップハブを目指す』

沖縄のスタートアップシステムのさらなる発展について、ISCOの兼村氏は「エコシステムの不連続性を解消するには、人的資本・インフラ資本・ネットワーク資本・経済資本・促進環境資本・文化資本のそれぞれが連携する必要がある」と述べました。

 

 

 

≪Co-Evolution -スタートアップによる地域振興-≫

さくらインターネット株式会社代表取締役社長の田仲邦裕氏は、18歳でレンタルサーバー事業で学生起業をして以降、存在感を放ち続けるアントレプレナーのトップランナー。エンジェル投資家として積極的に県内スタートアップに投資を行っています。

「投資をしてお金が増えて、またそれを次の人に出資して…というのはエコシステムそのもの。日本はたくさんの家計資産があるのに活用できていないのが課題。お金を健全に回す必要があって、それを最速で出来るのがスタートアップだと考えています」

また、日本の国際競争力と地方創生については、
「世界の時価総額の上位企業はここ30年で創業されたスタートアップ。これが成長して質の高い雇用を生み出している。これは日本、とりわけ沖縄でも適用可能。地域を良くするには地元のスタートアップの存在はとても重要」と今の動きが強く未来に繋がる見解を述べました。

 

 

 

≪沖縄の優位性を活かしたスタートアップ創出に向けて≫

ここでは、県外・海外の大きな市場を向いた、沖縄の可能性について議論が交わされました。

玉城デニー知事は「ビジネスコンテストやハッカソンを通じた起業家の育成、スタートアップと大手企業・金融機関・研究機関などとの連携促進に取り組む。ResoTechEXPOの例もあり、沖縄の優位性や潜在力を活かしていく」と、行政としての役割を話し、

沖縄セルラー電話株式会社の國吉博樹部長からは、
「沖縄はアジア諸国に1-2時間で行けるしハブになり得る。地の利を活かし、外国の方も沖縄に集ってもらって、開発拠点として使ってもらいたい。プログラム技術などのIT人材の育成を小学生世代から行っていくことが必要だ」と、アジアのハブとしての沖縄の存在価値を話しました。

 

投資家・起業家・経営者の麻生要一氏は、
「沖縄では投資家は増えているがもっとスタートアップの創業数を増やさないといけない。県は2032年までに100社創出の目標を掲げてるが、1000社は無いとエコシステムは回らないと思う」とスケールの作用について話し、続けて、「創業時やプロトタイプを作る時の補助は手厚いが、グロース期の資金調達先が少ない。本来なら地域ファンドがあれば理想ですが」と、ランニングができる支援についても語りました。

 

さくらインターネットの田中邦裕社長は、「福島では会津大学、北海道では函館未来大学という公立で技術系の単科大学を作った結果、技術者が増えた。また、企業側は技術者の賃金を上げると人材も確保でき中期的にはコミュニティもできて、地域スタートアップではその存在が活きてくる」と産官学の活きた連携について話しました。

 

 

 

≪スタートアップピッチ-沖縄型オープンイノベーション創出促進事業-≫

沖縄型オープンイノベーション創出促進事業で採択された8社の代表者が、自らの事業プランをピッチしました。
登壇者は以下のメンバーでした。

 

≪“スタートアップで働く”とは。創業者以外のキャリア論≫

モデレーターは沖縄スタートアップ支援協会代表理事の兼城駿一郎氏

「ビジネスは従業員や事業パートナーがいないと回らない。そういう皆さんのキャリアデザインについてテーマとして触れないわけにはいかない」という彼の言葉からプログラムが始まりました。

 

登壇は以下のメンバー。

・フォースタートアップ株式会社タレントエージェンシー本部ヒューマンキャピタリスト 玉城夢大氏
・株式会社SocialDesign coconova事業統括マネージャー 迫那津美氏
・HalloWorld株式会社CS/PRマネージャー 兒玉優香氏

 

それぞれが現在の組織に参画した経緯や、今後のキャリアプランを社会に対するパッションも交えてお話頂きました。

 

 

≪イノベーターを生み出す地域づくり≫

株式会社Link and Visible代表/コザスタートアップ商店街代表の豊里健一郎氏がモデレーター。
「スタートアップを盛り上げるために、人的資本・インフラ資本・ネットワーク資本・経済資本・促進環境資本・文化資本の6つの観点から話していきます」

どういった方法で地域にイノベーターを生み出せるのか、スタートアップ支援を行うと地域はどう変わるのかなどを議論しました。

 

元内閣副大臣の福田峰之氏は、ITの政策に参与した経験から「スタートアップにもっと政治は力を入れるべき。スタートアップを重要項目に置いている国会議員を数えたら片手で終わってしまう。日本を盛り上げるには100人単位で本来いないといけない」と国家全体で推進する必要性を説き、

 

那覇副市長の古謝玄太氏は、
「イノベーターの支援には、『人・物・金」があります。Okinawa Startup Universityというアクセラレーションプログラムでは人材育成をして、ハコで言えばLagoonのようなコワーキング・シェアオフィスもある。全て兼ね備えて支援をするのが王道なスタイル」と、包括的な支援の必要性に触れました。

 

また、沖縄市経済文化部観光スポーツ振興課の宮里大八氏は、
「そこに面白い人がいるから集まるし、面白い場所があるから行きたくなる。シリコンバレーに2か月滞在した時に感じたのは、カフェに行くと当たり前のように面白い人がたくさんいる。居るだけで熱量を感じられた。そういう場や人が持つ力は重要」と話しました。

 

≪Co-Evolutionをブーストする沖縄イノベーションコミュニティ≫

このプログラムでは『コミュニティを活性化させる仕組みづくり』『イノベーションコミュニティとは何か』『お互いが持っている資産を提供し合い成長するためには』などでディスカッションが行われました。

 

株式会社みらいおきなわ砂川恵太氏
「沖縄銀行本店内にOkinawa Innovation Labを設立したが、入ってもらいやすいようにまずはコミュニティの敷居を下げることを意識している。銀行は信用を担保するような役割があり、同じように民間や機関にもそれぞれのアセットがある。お互いのアセットを提供し合って地域を盛り上げられたら」

 

株式会社SocialDesign代表の北野勇樹氏
「名護のcoconovaでは『公園』をテーマに場所づくりをしている。
来るもの拒まず去るもの追わずで、コミュニティとメンバーが相互に依存し合わないことが大事。ただ、良い人たちが良いことをしている場所は良いバイブスが集まると思う。
今後のイノベーションコミュニティは越境がテーマ。名護の住みやすさを打ち出して、世界のデジタルノマドを誘致していきたい」

 

株式会社Link and Visible執行役員の濱砂裕治氏
「成功したビジネスパーソンの8割は『(その場の出会いを大切にした結果)偶発的なきっかけで未来が切り開かれていった経験がある』というデータが出ている。この偶発を、コザスタートアップ商店街で必然的に起こしていきたい。オープンイノベーションを図るにあたり、隣の人にもっと関心を持ち続けたい」

 

C.O.L代表の東ダワーンマサヒコ氏
「コミュニティが多種多様な人材を受け入れたり、個人が一つだけのコミュニティに属しないことが大事。ITだったらITではなく、いろんなジャンルの人材が集まる場所づくりが必要。個々のスキルを共用するような動きが促進されれば」

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